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君の性差

 どうも、外気と懐の寒さが身にしみる琥珀銀です。上級の方々は好景気だ不景気だと騒いでますが、うちら庶民にとってはどっちに転んでも不景気を感じるばかりですわ。

 さて今回は普通にココアさんを描かせて頂きました。この娘、結構描くのが難しいのです。主人公なのにあんまり特徴がないんで(ォィ、描くたびに微妙に顔が違ってしまうんですよねぇ。チノちゃんはどう描いてもチノちゃんになるんですが、ココアさんはトレードマークがお花のバレットしかないんで、なかなかココア感を出しにくいんですわ。

 さて、今回のネタでございますが、その前に前回書きかけだったネタはどうなったというと、えぇ、読み返してみてあまりにも悲観的なんで没にしました。要旨としては「最近絵描きの間でFantiaとかFanboxっていう絵描き個人にお金出して絵を見せてもらえるパトロン制サービスが流行っているようだよ。でも自分みたいなミジンコにはカンケーないよね。てか、タダだから素人でも見てもらえてるのに、お金出してまでその人の絵を見たいと思う?」みたいな、なんかいろいろ自分の首を絞めそうな内容だったのでやめましたわ。

 なので今回は適当につらつらと書いていきます。
 
 なお、この先これをお読みになられる女性の方がいらっしゃったら最初に謝っておきます。また、これから述べることは私の個人的な所感であって、正当性があるものだと主張するつもりはありません。

 さて、なんつうかアレですな。こういう女の子の絵ばっかり描いていますと、周りからは相当な女好きと思われることが多いです。あるいは、モテない腹いせに描きまくってるとか言われることも多々あります。「実は女の子になりたいとか思ってんじゃないの?」とか言われたりもしますな。

 実際のところ、理想とする女の子ばかり描いてはいますが、自分がそうなりたいとは思いません。ていうかむしろ、可愛かったとしても現代社会で女性になったら人生大変だろうなぁと思うのです。

 なぜそう思うのか。確かに1960年代のウーマンリブを嚆矢として女性の自立が叫ばれ、独立解放がなされたかに見えます。かつて女性の深夜労働は禁止されていましたが、男女雇用均等法により撤廃されました。昭和の頃にビジネス「マン」と呼ばれていた労働者は、いつしかビジネス「パーソン」と呼ばれる様になりました。女性も男性と同じ様に、というか、男性社会に女性も参画することが当たり前になったと言えます。

 しかしそれで何が起きたか。最近にわかにパワハラだセクハラだと話題になっていますが、これが注目され始めたのは女性の社会進出と同時期にあたります。たぶんこれ、これまで男性で構成されていたビジネス社会のスキームが、女性には合わなかったために起きている事象ではないかと思うのです。

 女性はいつも男性からチヤホヤされるから仕事も人生も楽勝、なんて事を2ちゃんねるを始めとしたネット上でよく見かけます。しかし、チヤホヤするのは単に男性に下心があるからであって、下心の対象外になった途端(例えば歳を取ったなど)、チヤホヤどころかビジネス上蹴落とす対象と見なされるのは十分あり得ます。ビジネスの世界なんて所詮パワーバランスだからです。そして私が女性ならば、男性が敵意を向けてきたら本能的に怖いと感じると思います。敵意でなく似たような振る舞いであっても同じです。統計が示す通り、殆どの女性の体格は男性よりも小柄です。つまり単純に、自分より体格の大きなものは怖い。

 でもそんなこと言おうものなら、そんな事はない! 女性は男性より弱くない! と、フェミニストの方々が声高に訴えてくると思います。そうして女性は弱くないんだと、男性よりもむしろ強いんだという事に今はなってます。これに異を唱える事はすなわち男女平等に反するという世論が形成されたのです。そして女性は守られる性から戦える性へと定義が変わり、体格差があろうと男性と対等にやり合う事になりました。

 さらに、女性は男性にチヤホヤされていると述べましたが、これだって異論があるはずです。ブサイク扱いされる男性がいるように、女性だって同じ扱いを受けてきた人もいるはずです。可愛い女の子が良いよね~なんて物言いは、女性は全員が可愛くあるべしという圧力かもしれない。男性はイケメンが希少価値でブサイクが当たり前なので、その辺気にせずともやっていけますが、自分の未来を左右する力を持つ上級や権威者は既に男性で占められているので、どうしても男性的色眼鏡で決定されがちになる。最悪、評価の条件として枕営業を迫られる事もあるかもしれない。

 底辺に落ちられないのもまた生き方を難しくしています。私はホームレスの経験がありますが、女性のホームレスというのは殆ど見たことがありません。じゃあ貧困な女性はいないのかって言うとそんな事はなく、貧困女性の問題が散々報道されているのは皆さんご存知の通りです。ただ、男性のようにホームレスでいいや~という選択肢も女性にとっては取りづらい。なぜなら女性のホームレスなんているはずがない、ありえないってのが常識となっており、どうにか無理して頑張って、酷い時には自分を傷つけてでも最低限の居場所にしがみつくしかない状況となっているからです。結果としてホームレスみたいなわかりやすい形で貧困が見えなくなっているから、差し伸べられるはずの救いの手も届かない。

 以上が私が女性にはなりたくないなと思った理由です。繰り返しますが、侮辱したい訳でも弱いもの扱いしたい訳でもありません。一緒くたに、男性も女性も全てみんな同じようにするのが男女平等ってのはなんか違うんじゃないかなと思うだけです。女性が働いて輝ける社会とか言いながら、一方で扶養控除額を上げるってのは、結局男女平等に乗っかって税収増やしたいだけなんじゃないのとか、子育ても仕事もバリバリ両立、それがデキる女性とかそれって女性の負担が増えるだけじゃないのとか思うですし。ただし女性を甘やかせと言ってるわけではありません。したたかさにおいては、男性よりも女性の方が上回ってることが多いしね。

 なんかまーた3次元女性を敵に回してしまった気がしますが...。
 取り敢えず、また次回まで。