どうも、AIにイラストで負ける琥珀銀です。
今回はお料理ココアさんを描かせて頂きました。パン屋の娘なのでパン作りは得意ですが、他の料理も得意そうですな。
<今回の日記は、基本的なAIと機械学習の原理、ならびにここ最近のお絵かきAIトレンドを予め理解している前提の上で書いています>
さてここ最近アレですな、絵を描くAIってのがゾロゾロ出てきておりますな。midjourneyとか出てきた頃には技術的特異点(シンギュラリティ)に到達したなどともてはやされておりましたが、萌え絵専門に描くmimicが現れてから急にAIが不正に仕事を奪うなどと否定的な意見が出てくるようになりました。
特にオタ界隈での評価がmidjourneyからmimicへ変わるにつれて180度変わったことは、かのマルティン・ニーメラー牧師も斯くやという様相と言えます。
つまり好評から酷評へと変わっていったって事なんですが、絵を描いていない人からすればこの手のひら返しが全く理解できなかったと思います。やってることどっちも同じじゃんという意見は至極まともに思えるのですが、まぁ、その、絵を描いている私が言うのもナンですが、(いわゆる芸術的な絵画でなく萌え絵を描く)自分達に火の粉が掛かってきてはじめて声を上げ始めたってのが本当のところでしょうな。
mimicに関しては意見が真っ二つに割れている状況です。絵師の側からすれば「苦労して描いた絵を無断でコピペのごとく使われる危険がある」とし、絵師でない側からすれば「AIごときに負ける絵師など業界の進歩のためにも淘汰されて当然」という意見が目に付きます。
しかしAIに学習させて出力させるまでは(出力結果を使って商売しなければ)日本の法律では問題ないと指摘されていることや、そもそも人間が技術を形成していく過程で必ず他の人の真似から入っていくことがAIだとダメである根拠がないことなどからmimicはサービスを続けていくものと思われていました。
しかし、運営会社のラディウス社は機能停止を発表。これで問題は強制終了させられるかに見えたものの、機能停止によって実はよりやっかいな懸念が指摘されるようになりました。日本でやらなかったら海外がやるに決まってるというものです。
海外がやるのがなぜやっかいか。まず海外の企業は今回のラディウス社のような「日本的配慮」はなく、(GoogleやFacebookのように)問答無用で画像データを強奪すべく都合の良いグローバルルールをブチ上げた後に「合法的に」盗っていき「合法的に」利活用するだろうと言うこと、中国に至っては絵師への配慮やルールなど完全無視でやるであろうと言うこと、それから、収集したデータを犯罪DBなどと突合させて特にキリスト教的教義に基づき「このような絵を排除することこそ正義」として検索から効率的に排除あるいはコンテンツをアップロードさせない仕組みが構築されるとみられるためです。あと日本がこの手のAI開発で後れを取る事になるとの意見もありますが、まぁ、遅れも何も今の日本の技術力では本気を出したGAFAとかに太刀打ちはできないでしょうね…。
しかしこれはもう開いてしまったパンドラの箱です。間違いなく海外で似たようなサービスが開始されるでしょう。個人的にはAIが生み出す作品がメジャーになることは当分無いと思われます。AIが人間の感性を揺さぶるような作品を作れるときはシンギュラリティに達したときか、スピリチュアルを理解したときだからです。てか、そりゃヘタクソにカネ出す人は居ないでしょうけども、だからと言ってAIの生み出した萌え絵にオタがカネ払うとは思えないんですが…。思うに、いらすとや的な使われ方がメインになるのではないかと。
それよりもやっかいなのは、例として挙げた思想検閲的なもののために使われる方です。これまで自由にTwitterやSNSにイラストを上げていたのに「貴方の作品はAIで作成されたと判断されたため投稿できません」などと、さも著作権保護やなにがしかの保護を装ってサイレント検閲されるディストピアが近づいてしまったのではないかと嫌な予感しかありません。ただでさえ意味不明な理由でアカウント凍結しまくってる前科があるのですから。
さて、今回はここまでといたします。
それではまた次回まで。
おまけ:日記を書いている間にももう中国産AIで似たようなの出てきたようです