液晶タブレット買いますた

 お暑うございますな。明日から夏期休暇に入る琥珀銀です。夏コミ初日参加は無理でしたが、明日から2日間はたっぷり夏の祭典を堪能したいです。


 さて、今回は予告通りゆるゆり「歳納京子」さんを描かせて頂きました。今回はちと画材が変わっておりましてな。どのようなものを用いたかというと…

Cintiq 24HD touch!
 いわゆる液晶タブレットというヤツです。数年間の憧れでありましたが、先日仕事上のあまりの理不尽さにカッとなってポチってしまった次第です。
 この機種、7月に出たばかりでまだほとんどレポートが上がっておりません。しかもこーゆーのは本来、ある程度の実力があるプロ・セミプロが買うものです。間違っても同人経験2回の素人が買うもんじゃない。そこでこれからお話するレビューは、そういう素人がこれを買うとどうなるか、という点にご留意のうえお読み下さい。まぁ、絵を描いている人ならこのデバイスは憧れですからな。興味はあるっしょ?
 まず色はどうなのか。「液タブは便利だけど色調整だけは別モニタでやらないとダメだよね~」とは良く言われていることです。私の感じたところですが、初期設定では色がかなりくすんでおり、調整が必要です。特にアニメ絵を描くのであれば、かなり思い切った色調整が必要でしょう。キャリブレーター? そんなもん買う予算はもうありません。ここでいう調整とは、自分の目を信じて行います。自分の発行した同人誌の表紙と見比べながらやるといいでしょう。Cintiqシリーズの最高峰だけあって結構無茶な色設定ができますので、思った通りの色調整ができないということはないでしょう。ただ、結構苦労はします。しつこくやりましょう。この時点でプロからすれば噴飯モノですが、いいんですどうせ同人誌とエロCGが描ければそれでいいわけだし。
 タブレットとしてはどうか。これはもう問題ないと言っていいでしょう。画面に対して思った場所に的確に、かつダイレクトに線が描けます。細かい調整や色塗りなど、作業効率は格段に上がると言っていい。素晴らしいとベタ褒めしたいところですが、難点もあります。それは、この機体がでかすぎると言うことです。モニタは垂直から水平まで自在に動かせますが、それだけに場所を食います。相当広い机を用意しないと厳しい。あと重さが30kg近くありますんで机の耐荷重にも注意が必要です。
 タッチ機能はどうか。Cintiqシリーズとしては初のタッチ機能搭載って事で注目されている機能ですが、簡単に言うとiPadみたいに指で画面触ってスクロールさせたり拡大縮小、回転させられるものです。右手でペンを持って左手で画面をぐりぐり動かす…これは実現すれば相当便利そうです。…が、正直これは期待外れだったと言わざるを得ません。というか、Windowsがいけないのかも知れない。とにかく反応が鈍いのと誤動作が多いのです。反応が鈍いのは我慢するとしても問題は誤動作です。まず、ペンが画面に着地する前に普通腕とか手が画面に当たりますな。そうすると、先に画面にあたった腕とかの方にカーソルが移動してしまい、続いて着地したペンの位置に瞬時に移動するという挙動をします。するとカーソルがあっちゃこっちゃワープするのです。コレを防ぐためには手と腕を浮かせながらペンだけ画面に触れるようにする必要がありますが、それはちと厳しい。
 あと移動回転拡大縮小をフルサポートしているのはPainterだけのようで、フォトショップとかだと今のところ回転はできないっぽい(CS6)。この辺りはちょっと調査中です。格好いい操作動画とか出回ってるようですが、ああいう風には行かないと思います。コレ、ひょっとしたらMacならうまく行くのかも。
 というわけでまぁ色々書きましたが、今回そうやって出来たのが今回の歳納京子さんとなります。せっかくの液タブですから原画からフルデジタルでやるべきなんでしょうが、まだ下絵は紙で描いた方が楽です。取り込んだ後のペン入れとか修正、塗りなんかで威力を発揮した感じですね。今回の絵をご覧頂ければ分かるとおり、普段とあまりできばえは変わっておりません。この液タブというヤツは、自分の作業効率を上げてくれるものであって、実力を上げてくれるものではないのです。液タブ買ったというと「んじゃぁもっとうまく描けるね」とか言われますがそれは誤解です。
 そしてこの製品、敢えて言いませんがお高いです。気軽に買えるモノじゃありません。カッとなって買ったとは言いましたが、長年夢見てきてやっと、というのが本当のところです。非モテで友達もおらず人づきあいせず、彼女・合コン・飲み会・クルマ・家・結婚・その他一般人が使うであろう金のかかるもの一切を排除しての購入です。普通の人にはお勧めできない。真にお絵かきと二次元を生涯愛すると覚悟を決めた人にお勧めしたい。作業とは全然関係ないことですが、でっかいパネルを相手に操作するというのは近未来的で、すげぇ自己満足に浸れます。お絵かきがマジで楽しい。これはオタだからこそ楽しめるものと言えるでしょう。
 それでは、また次回まで。
 トップページにあるとおり明日~明後日と夏コミの売り子してます。
 興味ありましたらお気軽におたずね下さいませ。