日本銀行Pay

 どうも、ケセラセラな人生、琥珀銀です。


 今回は千夜ちゃんお誕生日絵を描かせていただきました。ちょっと大人の雰囲気を出してみたんですがどうでしょうか。怪しい同人誌の表紙っぽくも見えますががが。
 さて、最近「なんとかペイ」ってのが話題になってますな。PayPayから始まってもう何が何だか分からないくらい数多くの「ペイ」が出ている気がします。コンビニとかに貼ってある対応QRコード一覧とかみてみますと、もうカオスの域に達してますな。正直、今どれくらいのペイが出ているのか把握しきれないくらいです。いわゆる、キャッシュレス化決済ってやつです。
 これだけキャシュレス決済が急に雨後の筍のごとく生えてきた背景には、政府が目指すキャッシュレス社会の到来ってやつが後押ししている様です。いわく、2024年までには個人決済の40%、ゆくゆくは80%まで比率を上げていくんだそうで、助成金とか公的補助とか色々美味しい特典が事業者に用意されているみたいですね。
 しかしながらこのなんとかペイ、最近雲行きが少々怪しくなっております。皆さん記憶に新しい7Payの失敗が原因です。ハッキングされて勝手にクレカから引き出されてチャージされるわ使われるわ、パスワードリセットと同時に残額もリセットされて0円にされるわ、社長が謝罪会見で「2段階認証…? よく分からないけどとにかく問題ないから」みたいな決済事業者としてはあるまじき対応を示すわで、やっぱりQRコード決済って危ないんじゃ…と思わせるに十分な大失態をやらかしてくれました。
 そもそもQRコード決済ってのは、ポイント還元がなければユーザー側にはデメリットが多いサービスです。まずはセキュリティですね。7Payでもそうでしたが、何かあった時の対応がほとんどの場合「自己責任」にされ弁償は期待できません(安全を謳ってはいるが外資保険並みに保証されない)。また、基本的にスマホがないと決済できませんし、スマホスキルがないとスキャン→決済などの手間がモタつきます。そして何を買ったかの情報は事業者に筒抜けになります。小銭持ち歩きガーという人もいますが、それについては後述します。
 まぁだからこそデメリットを打ち消すようなポイント還元キャンペーンをやっているわけですが、キャンペーンが終われば使われなくなっていくのはよく指摘されています。事業者と国と提灯メディアは、スマートな決済とか、海外友人への送金がスマートとか、意識高いデキる人はやってますよ的なプロパガンダ敷いてますが、実際のところ、小銭の支払い時間とか持ち歩く云々よりも、この不景気下に庶民においてはどれだけ安全(=お金が消えない事)でおトクかが重要であって、それが得られなくなればわざわざキャッシュレスにこだわらなくてもいいわけです。
 さらに現金、言い換えれば日本銀行Payにはキャッシュレスにない、しかも重要なメリットが多くあります。スマホなどの機材は不要ですし、使いこなすスキルもいりません。落とした時に落とした額以上の金銭的被害は物理的に発生しませんし、非対応店舗なんてほぼあり得ないうえ、完全匿名性が保証されております。また、日本円なら国内だけでなく海外においてもハードカレンシーとして現地の通貨と交換することすら可能です。
 それに比べれば短時間決済とか友人へ送金なんて霞むと思うんですよねぇ。スマートらしいんですが、そのスマート差がどれだけあるか。決済時間の数十秒が数秒になるだけでしょう。必死に人生の時間まで持ち出してこんな比較までやってる記事ありますが、どんだけ人生に余裕がないんだと。つか、お前の人生にゴロゴロダラダラする時間はないのかと。むしろ、レジ前でようやく財布を取り出すオバちゃん達を何とかした方が時間短縮になるんじゃ無いかと、そう思うわけであります。
 まー…てな事を言っておいて手のひらを返す様ですが、実は私はスーパーでは西友のカード、コンビニではiDを使って生活決済のほぼ9割がキャッシュレスだったりします。ポイント還元などは期待していませんが、カードの値引きとか、西友なら常時3%引きとか、そういうメリットがあり、さらに重要な点で言えば、雨後の筍のように生えてきたQRコード事業者の「セキュリティ? あー大丈夫だいじょぶ、多分問題ないから。え? 不正使用された? んじゃ今直すから知らね自己責任だろ(一応エラい人の頭だけ下げてハゲ頭フラッシュ反射)」みたいな事が今のところ無いからです。結局のところ、競争ばかりが目的になって付け焼き刃その場限りの対応をQRコード事業者が続けていく限り、信用という一点において、少なくとも自分はそれを使う気にはなれません。iDeCoなんかもそうですが、少なくとも国や勝ち組企業が勧めてくるモノに対しては一度疑ってみるべきと思ってます。あくせくする為にキッシュレスを使うのではなく、どれだけお得かメリットがあるか、そもそも決済で一番重要な信用がどれだけ担保され責任を持って運用されているか、その辺をおざなりにせず真摯に取り組んでいるかどうかで、キャッシュレス化の浸透が決まっていくことでしょう。
 それでは、また次回まで。