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アリとキリギリス

 どうも、ここんとこ近場の温泉巡りが趣味の琥珀銀です。

 今回は走るココアさんを描かせて頂きました。アニメ3期ではかなり運動音痴なココアさんが描かれてましたな。

 さて、アレですな。ここんとこ女性の貧困なる言葉が出てきておりますな。厚生労働省2020年の調査では特に中年単身女性の3人に1人は貧困らしい。親元と一緒の暮らしでないと生活も成り立たないんだとか。

 そして今回のタイトルからして言いたいことの9割は伝わってしまっている気がしますが、えぇもうそのものズバリです。ていうのも、同じ中年である我ら氷河期男性だって十分貧困だったわけで、スタート地点は同じです。むしろ、ウチらが若い頃に彼女らは我々に対してなんと言ったか。年収1000万以下は甲斐性が無いとか、学歴MARCH以下は低知能だとか、一部上場企業以外はお断りだとか、イケメン以外が告白してくるのは侮辱だとか、まぁイケメンと楽しくセッ○スしながら童貞キモーいなどと我々非モテをゴミを見るような目で見下してくれてた気がします。

 で、まぁそれでその年収1000万のイケメンと結婚できたんなら良かったんでしょうけど、そんな幸運にたどり着けた上級国民はごく一部だったわけで、残りは捨てられるかシンママとなり、結果として3人に1人が貧困層となりました。

 翻って我々非モテ氷河期は早々に結婚などを諦め、絶望を受け入れ、この20年間堅実な道を歩んで参りました。今の仕事に多少の不満はあれど、たぶん老後まで働く道筋はついたんじゃないでしょうか。親の介護が心配なところはありますが、貯蓄と投資で金銭的なロードマップは描けているところかと思います。まぁ氷河期底辺なりに道を見つけ出したと言ったところでしょうか。

 ここでアリとキリギリスの本当の結末を申し上げましょう。アリが慈悲心をもってキリギリスに食べ物を分けてあげるというのは後世の改変です。原作においてアリは、「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらどうだい?」と食べ物を分けることを拒否し、キリギリスは飢え死んでしまうのです。

 そして同様にというわけではありませんが、国民がコロナにあえぐなかでも目先の利権オリンピックに邁進するのが我が国の政府ですから、国民のために貧困を解決する政策がとられることはないと考えるのが自然です。また国民も貧困なのは怠けてたオマエだけ。自己責任であり助ける必要はないと考えているようですから互助的な救済も期待できません。

 つまり現実的にいろいろと手遅れです。我々が結婚できる可能性もそうだし、貧困女性がこの先助かる見込みもないでしょう。運が悪かったのか自業自得か知りませんが、氷河期貧困女性は絶望を知るのが遅すぎた。せめて同年代の男性が女性たちからこれでもかとダメ出し蹴落とされ、傷心の末に独りで生きていく覚悟を決めたときに何かを感じ取るべきだったのです。

 あとはどう終わっていくかの話です。もはや墜落する飛行機の中でできることを考える段階に入ったと言えます。我々はベイルアウトの訓練を積み、パラシュートを事前に用意しました。これから機内で悲鳴が大きくなっていきますので、周囲に惑わされず今後の成り行きに冷静に対応していきたいところです。

それでは、また次回まで。