オッペケペッポー ペッポーポー

日記(雑学)

 どうも、ここんとこ激務と親の介護でプライベートがまるで無く、人生の意味について考え出した琥珀銀です。
今回はリゼちゃん誕生日絵2025年版を描かせて頂きました。すでに原作では大学生ですが、やっぱりこの日本において(ごちうさの舞台は日本じゃないですが)JKブランドは最強ステータスでしょう。

 ところでアレですな、このところお米の値段が昨年の2倍近くなどと常軌を逸していますな。相変わらず残念な農政が事態を悪化させてますが、もうひとつの事態悪化の要因として、米がどこかでスタックしているんじゃないか、つまり、溜め込んで高値売り抜けを企む転売ヤーがいるんじゃないかって噂が立っております。現代の日本なら、実にあり得る話ですね。

 今を遡ること130年以上前の明治時代、川上音二郎という人が寄席の俗謡として当時の社会風刺を歌ったおっぺけぺ節というのがあります。歌詞は5〜6番くらいまであるようなんですが、ここではその3番を紹介したい。

米價騰貴べいかとうき(米価高騰)の今日に 細民困窮省らすみかえらす(省みない)
目深に被った高帽子 金の指輪に金時計
権門貴顕けんもんきけん(特権階級の人)に膝を曲げ 
藝者幇間げいしゃたいこ(芸者と芸人)に金を蒔き
内には米を蔵に積み 同胞兄弟見殺しか
幾ら慈悲なき慾心よくしん(欲求)も 餘り非道な薄情な
但し冥土のお土産か 地獄で閻魔に面會し 賄賂遣ふて極楽へ
行けるかへ 行けないよ。
オツペケペ。オッペケペッポーペッポッポー

 100年以上前の言葉遣いですが、何となく内容は理解できるのではないでしょうか。米の値段が高まって買えず困っている人がいるのに倉庫にたっぷり溜め込んで高値で売りつけ、自身はその利鞘で贅沢の限りを尽くし、兄弟ですら見殺しにして、死ぬ間際でさえ閻魔大王に賄賂を送って自分だけ極楽へ行こうとする…まぁそんなところです。えぇ、コレ100年以上前の話ですよ、現代の話じゃありません。

 なおこの30年後の大正時代に「パイノパイノパイ」という俗謡が流行るのですが、こちらも歌詞に「市長のいうことよくきいて 豆粕食うこと痩せること」という一節があります。これは、米価格高騰で本来は投機筋を取り締まるべきなのに、市長(当時は東京市長を指す)はそれすらせず米の代わりに豆粕食えとしか言わねぇから痩せちまうよ、という意味の社会風刺です。

 つまり明治時代でも大正時代でもそしてたぶん戦後すぐの昭和でも、ずっと同じ事が起きていたんでしょうな。

 人間の歴史ってのは基本的に繰り返しです。過去に起きたことは未来でも起きる。明治時代に起きた米騒動は、政府がシベリア出兵に向けて準備しているとの情報を掴んだ投機筋が、米の需要が高まるとみて値段を釣り上げたことが原因です。さすがに現代では日本からロシアへ出兵はないでしょうが、米がすでに投機対象になってしまったにも関わらず、政府が何も手を打てないであろうと投機筋に見透かされているのが今回の原因でしょう。米がスタックしている疑いがあるなら、米トレーサビリティ法を根拠にガサ入れすればいいはずなのになぜ検討すらしないのか。もしかしてスタックしているんじゃなくて、管理の甘さで実在庫が無いだけではないのか、などなど。

 明治の米騒動では時の政府が責任を取って総辞職しました。大正の東京市長は死んだときに散々嫌みを言われたと記録にあります。日本人てのは普段あんまり怒らないものなのですが、食べ物に関しては割と気が短い気がします。まして投機筋っていうか転売ヤーにはさんざん煮え湯を飲まされているわけです。もしかして石破内閣が総辞職するとしたら、今夏の参議院選挙の結果責任でなくて、お米に関する事柄になったりするんじゃないでしょうか。

 というわけでさっさと米の値段が下がってほしいと思いつつ今日はこの辺で。
 また次回まで。