« NVR510 | Main | 氷河期世代 »

つながらない権利

 どうも、夢は枯野を駆け巡る琥珀銀です。

 今回はちょっとお誘い気味のココアさんを描かせて頂きました。人から好かれるとか求められるってこんな感じなんでしょうか。まぁ童貞なんで分からんのですが。

 さて本日は「つながらない権利」てのを語りたいと思います。つながらない権利とは、主に会社の勤務時間外なのにスマホ(電話)やメール、SNS等で気軽に業務連絡を持ちかけられ、対応しなければならない状況を拒否できる権利です。欧州では法制化されているとかで有名です。

 まぁ特に社畜ですと、「休みの時でも電話くらい出られるだろ」→「電話に出られるならメールくらい打てるだろ」→「メールが打てるのなら客先とリスケくらいできるだろ」→「リスケできるなら(以下エンドレス」と休みなのにエスカレートしてズルズルと仕事させられた経験を持つ方は多いかと思います。

 かつて携帯電話が世に登場したとき、人の自由は束縛されるだろうという意見がありました。それでも電話だけなら出られないときもあると言えなくもなかったんですが、今や既読だのなんだのと相手に分かってしまうので、結果として即時対応が求められます。これが休日・深夜早朝に何度も及べば精神を病むであろう事は想像に難くありません。この形式こそが働き方改革とか勘違いしている向きもあります。

 これらは仕事だけではありません。プライベートでもそうです。LINEの既読通知などが最たる例でしょう。もはやこの状況では精神が誰かの奴隷に置かれていると言っていい。

 そこで繋がらない権利です。基本的人権にある自由権てやつに近いかもしれんですな。人は他人に束縛されない権利を有するはずなのです。

 今やコミュニケーションが最も大事だとかってんで、スマホやSNSなど、その手のツールがやたらめったら開発され、ソレ使えヤレ使えと日々押し寄せてきています。コミュ障なんて言葉があるくらい、それらを使いこなして人と繋がっていなければ障がい者扱いまでしてくる始末です。しかしその行く先は、いつも誰かに見られている相互監視社会の到来でしかありません。そのようなディストピアに、私は身を置きたくない。

 コミュニケーションが今後の社会でどうしても捨てられないのであれば、せめて匿名性を確保すべきです。誰かに何かをさせたい背負わせたいとき、個人を狙い撃ちしない。グループリストのようなところに投稿し、やれる人がやる。やりたくない人は無視する。誰もやらないんであれば、頼み方が悪いか、今必要としていない。結果はやった人が公開するかもしれないけど、その人はまた匿名に戻っていく事を保証する。そういう緩いのが必要なんじゃないかと思います。

 以上、最近の近すぎてギスギスする人間関係に一石を投じたく一筆ぶってみました。
 それでは、また次回まで。