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無能力者の憂鬱

どうも、人生消化試合に入った琥珀銀です。アレですな、何にも持たない人間てのは、いろんなコト、モノに対する執着心が薄くなる傾向にあるなぁと実感しております。

 今回はフルール・ド・ラパンの制服を着たチノちゃんを描かせて頂きました。なんでも原作ではチノちゃんは高校受験に合格し、いよいよ高校生になるそうです。ロr...げふん、幼さを武器にして来た感があるキャラなので、今度からJKとなると...うーむ、描くとき扱いに困ることになりそうです。

 さて、それでは本日のお話を始めたいと思います。最近はほら、働かせ方改革...じゃなかった「働き方改革」ってヤツが俄かに喧しくなってきましたな。なんでも、これからの人生は平均寿命が伸びて100歳生きることになるから、70歳以上...いやいや生涯現役で働きましょうだそうで。コレ言ってる奴ァ健康寿命ってを知らんのでしょうか。まぁ、どー考えても少子高齢化による人手不足を補うために国民を死ぬまでコキ使おうって魂胆なんだろなというのがミエミエですが、コレとセットに「多様な働き方」てのも提唱されております。

 この多様な働き方というヤツ、具体的にはどこでも仕事しろ、あと、一つの仕事だけじゃなく副業しろって事を言っています。

 前者はわかりやすいですな。在宅勤務とかテレワークみたいに会社に来なくても仕事できる環境を整えて、個人のプライベート時間を極限まで削って仕事に当てさせるものです。いずれ(いや、今でもそうか?)スマホやタブレットで休日でもオフィスのデータが手元で扱え、その場で修正なりなんなりさせられることになるでしょう。具体的には「休みでも電話にくらい出ろよ」→「電話に出られるならメールくらい返信できるだろ」→「メール書けるなら書類オンラインで直せるだろ」→「そこまでできたら先方とリスケくらいできるだろ」と際限なく在宅サービス残業地獄に引きずり込まれるワケですな。

 さて後者「副業」は人がそれぞれ持つというスキルや強みを社外でも活かし、退社後にもう一つ別の仕事をしろってヤツです。国外営業をしているビジネスパーソンがその英語力を活かして、副業で通訳や翻訳業をするとかいうのが副業の例でよく挙げられています。

 しかしですな...スキル? 誰もが持つ強み?? あのー、世の中一つのことすらできるかどうか怪しい私みたいな人間がワラワラいるってのに、何を夢見ちゃってるんですか政府と経団連は。常識で考えれば、この国の国民がみな優秀だったら失われた20年なんて存在してないわけでしてね。あーもしかしてアレですか、ラノベとかによくある無能力者と判定されても実はイマジンブレイカー発動できるとか今時中学生でも思いつかない中二病でも患ってんですか。

 考えれば働き盛り20代~40代の死因の第1位が自殺のこの国で、24時間戦えるわけもなく特殊スキルもほとんどの人が装備していないのに、あたかも誰もが才能に溢れていると錯覚させ、それを前提に皮算用を立てる事は非常に問題のある楽観論と言えます。ましてや才能が遺伝により先天的であるとされ、"天は二物を与えまくり"であることが明らかになりつつある現在、イケメンに群がるがごとく才能ある一部だけがチヤホヤされて、残りは奴隷労働と終わりのない非現実的なノルマをおっ被される未来しか見えません。そして残るのは屍を積み上げたガ島の白骨街道と一握りのウイナー・テイク・オールです。

 そう、つまりウチらプロレタリアとしては、この手の上昇志向に乗せられる事なく常に傍観者の立場を貫くことが大事だと考えます。意識高い生き方に無理がある人間もいるのです。「多様な」と謳っておきながら実は全員に等しく高い能力を求める詭弁に惑わされることなく、つねに地に足のついた生き方を選んでいきたいものです。

それでは、また次回まで...。