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親近感

 だんだんお暑うなってきましたな。そろそろ夏コミの当落も発表される時期ですし、本格的に夏が近づいてきていると感じる琥珀銀であります。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 今回はまた原点に戻ってリゼさんを描いてみましてな。まぁ、いつものごとくぱんつですが。いやまぁしかし、いい歳こいてこういう絵を描くのは楽しいですな。これこそ人生のレールを踏み外した者だけに与えられた特権と申せましょう。

 さて今回はとあるルートからお便りを頂きましてな。このサイト創設時から見て下さっているとのことで、創設時公開していたメールアドレスから頂きました。そのお方は今年で50代後半になられるとか。

 許可を頂きましたので頂いたお便りの内容をかいつまんでご説明しますと、この方は定年も間近に迫ったお歳になられても未だ童貞であり、彼女居ない歴実年齢なのだそうで、独りアパートで酒を飲みながらこのサイトの日記を楽しみにされているとのことでありました。その方いわく、私には同じ童貞として、そして女性と付き合ったことのない不器用な人生を歩んだ者として親近感を感じたそうです。

 SNSだのpixivだのと言ったコミュニケーションツールが充実している現在において、そう言えば親近感とは久しく味わっていない感情だったなと今更ながらに感じます。なんつうか、以前はもっと絵を描いている人、日記を公開している人との距離が近く感じられ、親近感があったような気がするのです。

 サイトを公開し、掲示板を設置し、そこで管理人と楽しく会話のやり取りをする‥そんな時代はもう十年以上前になるでしょうか。今はもう、絵師だとか言われてる人がえらく遠い存在に感じられます。もう掲示板でのやり取りなんかないし、Twitterでフォローしたとしてもそれは何千、何万人の中の1人でしかないし、pixivに至ってはコメント付ける方が珍しいくらいだし、接点はほとんどないと言っていいでしょう。たまに勇気を出してコミケなどのイベントで声をかけようものなら以下のツイート。

 これはとある十万以上のフォロワーさんがいる有名絵師様のありがたいお言葉ですが、今時の絵師さんてのはこんな感じなのです。まー勿論、声をかけた人に下心がなかったかと言われるとなんともですが、少なくともこのツイートを見た人は、この絵師様にイベントで声をかけることを躊躇するでしょう。もはや絵師様は神なのです。そしてその神はこう仰せられたのです「下々の者は身分を弁えよ」。

 そう言えば私もイベントでフォローしている絵師様にお声がけさせて頂きましたが、半分くらいは迷惑な顔された気がします。もう、そういう時代なんでしょう。崇め奉るは作品のみとし、まかり間違っても本人様に親近感などを抱いてはいけない。上のツイートの言葉を借りれば「身内オーラを勝手に出すの本気でタチ悪い」でしょうか。

 しかしこのサイトは、いや、この私は、そんな現代の空気に抗いたい。私が絵を描いて喜びを感じるのは見て下さる方がおられるからであり、そのような方々を邪険にするような真似はしたくない。古くさいサイトデザインに古くさい絵柄、そして管理人は昭和臭漂うオッサンではありますが、だからこそ泥臭い付き合いを大事にしたいと思うのです。さきほどの五十路の方がメールを下さった、それは私にとって大変嬉しい事であります。pixivに行けばお手軽にいくらでも上手い人の絵が見られる今の時代に、こんなサイトに来訪する方が珍しいでしょう。でもそんな珍しい貴方が、私は好きです。貴方のことが大好きです。私に親近感を持って欲しい。どうか、仲良くして欲しい。

 今日も見て下さってありがとうございます。
 また、次回お会いしましょう。